2007-09-30

The Tramp Band 1943

「ストーミー・ウェザー」Stormy Weather(1943米アンドリュー・
ストーン)より “Moppin' and Boppin'” (2:57)

From unknown source, probably soundie
“Hit That Jive Jack” (2:35)



大好きなバップ・ヴォーカリスト、ジョー・キャロルの音楽キャリア最初期のバンド(バンドなのだろうか、本当に)、トランプ・バンド。ジョー・キャロルは一般的には1940年代後半のディジー・ガレスピーのビッグ・バンドでの活動で知られている。それ以前のトランプ・バンドは本当に幻のグループで最新のジャズ・ディスコグラフィーを持ち合わせない身には、吹込みがどれぐらいあるのか、そもそも吹き込みがあるのかどうかすら分からない。長い間、映画「ストーミー・ウエザー」でのみ観聴きできる存在だった。最近、下の映像を見つけたのを機に取り上げることにしました。

ジョー・キャロル以外のメンバーについては全く知らなかったのだが、下の映像についていたコメントによるとほぼ同時期・同メンバーだとして以下の名前があったので書いておきます。

Joe Carroll: vocal
(Carroll and Pinky Johnson up front )
Nick Aldrich: piano
Johnny Cousin: guitar
Ebenezer Paul: bass
Willie Jones: drums
Alvis Cowans: washboard

浅学非才にしてジョー・キャロル以外のメンバーはどういう人か知りません。ご存知の方はご教示下さい。

“Moppin' and Boppin'”(あるいは“Yeah Man ”)で、最初に歌いだすのはウォッシュボードのアルヴィス・コーワンズ。ギター・ソロに合わせて変な顔をするのがピンキー・ジョンソンという人だと思われます。その直後歌いだし、スキャットを決めるのがジョー・キャロル。途中からタップで乱入するのが、この映画の主人公ビル "ボージャングルス" ロビンソンシャーリー・テンプルの映画への出演などで知られる伝説的タップ・ダンサーで、ジェリー・ジェフ・ウォーカーが書いた有名な『ミスター・ボージャングルス』は彼のことを歌った歌です。

“Hit That Jive Jack”では全面的にキャロルがフィーチャーされ、後年の特徴あるスモーキー・ヴォイスがはっきり聴き取れます。この曲はジャイヴ系のアーティストがよく取り上げる曲で、キング・コール・トリオのデッカ録音のほか、スリム・ゲイラードが何度も吹き込んでいます。残念なことにこの映像は裏焼きになっていて、左利きの楽器奏者や合わせが逆のジャケットが現前しています。

おそらく、サウンディーズがソースだと思われるこの映像を取り上げるのは反則気味なのです。サウンディーズはパノラムという映像ジュークボックス(スコピトーンと同じ原理と思われる)で観るもので、スコピトーンと同じく銀幕に投影されるフィルムではないので、今までは遠慮してきました。この先、面白いものについては取り上げることに決めましたので、ご了承下さい。看板に偽りありと責めないでね。

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